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百日咳を予防しましょう! 特に就学前ワクチン、2種混合ワクチン接種を希望の方へ
2024年02月19日
こんにちは
今日は百日咳のワクチンについてお話します。
百日咳は百日咳菌が原因の感染症です。通常のかぜのような症状が出現(発熱、咳、鼻)するカタル期のあと2-3週間にわかって痙咳といわれるけいれん性の咳発作がおこります。咳発作は夜間やなんらかのきっかけでおこり、短いコンコンコンとした咳のあと気を吸うときにヒューと笛のような音がなるのが特徴で嘔吐を伴うこともあります。激しい咳発作は2-3週間程度でおさまりますが、その後もときおり発作性の咳が続き完全に回復するまで2-3か月を要します。成人の場合でも、咳が続きつらい感染症ですが、これが月齢の低い赤ちゃんが罹ると大変です。十分に呼吸ができなくなって、顔色は真っ白、唇は真っ青になって息が止まったり、けいれんを起こしたりします。私も、コンコンコン咳をしたかと思うと急に呼吸が止まる赤ちゃんを診たことがあり、百日咳の恐ろしさを目の当たりにしました。
百日咳の予防のため、日本では乳児期に4種混合ワクチンを全部4回接種します。しかし、これでは百日咳への免疫はその後どんどん下がってしまい、就学前くらいの年齢になると百日咳にかかるお子さんが急激に増えてきます。百日咳をきちんと予防し、そして小さな赤ちゃんたちに百日咳をうつさない。百日咳を撲滅していくためには今の日本のワクチン制度ではワクチンの接種回数が足りません。世界では、百日咳のワクチンを、乳児期の4回の接種に加えて、就学前(5~6歳)の時期と小学校高学年(11~12歳)の時期にも接種します。日本も、今後百日咳を撲滅するため、月齢の低い赤ちゃんを百日咳ワクチンから守るためワクチンスケジュールの見直しが必要です。
当院では日本小児科学会の推奨に基づき、以下をお勧めしています。ぜひ、一度ご検討をお願いいたします。(DPTの任意接種は4400円です)
就学前の時期に
はしか・風疹ワクチンの2期と一緒に DPT(3種混合ワクチン:ジフテリア、百日咳、破傷風)を任意接種する
小学校高学年の時期に
DT(2種混合ワクチン;ジフテリア、破傷風)の定期接種→ DPTの任意接種に変更する