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赤ちゃんの頭の形気になっていませんか?

2024年12月05日

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皆さんは、町でヘルメットをかぶっている赤ちゃんを見たことはありませんか?
赤ちゃんの頭は髪の毛が少ないため、頭の形がよくわかります。「頭が歪んでいるのが気になる」「将来的に自然にもとの形に戻るのか心配」不安を抱いたことはありませんか?
私自身も小児科医として、乳幼児健診の時によくある質問1つが頭のゆがみに関することでした。昔は、向き癖矯正をして、そのうち治るのを待つしかなかったのですが、2018年以降、日本でも頭のゆがみを治すことができるようになりました。それがヘルメット矯正治療です。
 
頭のゆがみには「斜頭症:後頭部が左右どちらかが出っ張っている。」「短頭症;頭の前後径が短い。いわゆる絶壁頭」「長頭症:頭が前後に細長い」と3つパターンがあります。
治療対象になるのは、斜頭症、短頭症になります。
多くは、生まれてくるときに子宮や産道を通るときの圧迫や生後寝るときの向き癖など外からの圧迫が原因です。

頭のゆがみは将来的に顔面・首のゆがみ、それに伴う肩こりや腰痛、耳の位置・形の左右差による中耳炎の合併、眼鏡がかけにくい、顎関節変位による嚙み合わせ障害の合併率があがるといわれていますが、基本的に脳の成長や精神発達に大きな影響を与えることはないといわれています。なので、必ず治さなければならないものではありません。基本的には見た目の問題です。
 
ではほっておけば、いつか治るのかというと、
生後2か月の時点で一定以上の変形率まで重症化した頭蓋変形はその後の成長過程で「自然矯正」されるのは困難とされています。
ある程度の重症度まで、頭が歪んていればどうしても気になりますよね。 

治療法としては、理学療法とヘルメット矯正法があります。
 
理学療法は、赤ちゃんが一定の方向ばかり向かないように音や光の当たる方向を変える。授乳や、だっこの際も同じ方向ばかり向かないように工夫する、寝ている時もそっと向き癖と逆の方向を向くように頭の位置を変えてあげるなどの向き癖矯正と、赤ちゃんがしっかり起きている時に保護者の観察のもとうつぶせ遊びの時間を設けるタミータイムを作ることがあります。理学療法をやっても治らない、重症な頭のゆがみの治療として、ヘルメット矯正法があります。ヘルメット矯正法の至適治療開始期間は生後3~6か月で、この時期ににしかできない治療になります。

当院ではヘルメット治療をするしないにかかわらず、頭のゆがみに関して少しでも心配があれば早い段階で丁寧な診察とアドバイスを行います。
赤ちゃんの将来への不安を減らすために、是非お気軽にご相談いただきください。