診療内容
こどもさんにとって小児科医はすべてを診る総合医であると考え、病気はもちろん健やかな成長を支える健診や予防接種、アレルギー専門医によるアレルギー外来などの診療時間を設けております。
診療内容
一般外来・感染症
感染症をはじめ、こどもの病気に幅広く対応しております。小児科専門医が診断・治療を行います。
抗生剤の適正使用について
こどもたちはしばしば風邪をひきますが、いわゆる「風邪」といわれる疾患は80-90%がウイルス感染です。抗生剤は細菌感染症を治療するためのものですので、「風邪」には効果がありません。たまに「風邪」をこじらせて、二次感染として細菌感染を合併することがありますが、その予防効果もほとんどないといわれています。
ということで、予め抗生剤を内服することで、風邪を早く治すこと、風邪をこじらせないことはできません。必要のない抗生剤使用を繰り返したり、続けたりすることで、抗生剤が効かない菌(耐性菌)の出現し、本当に必要なときに抗生剤が効かないという事態を招くことがあります。
また、抗生剤物質は悪い細菌だけでなく、お腹の中の大事な腸内細菌もやっつけてしまいます。腸内細菌とは、ヒトの腸内に住んでいる500種類の100兆個ほどの細菌の集まり(腸内細菌フローラ)です。この腸内細菌フローラは、病原菌のからだへの侵入を防いだり、アレルギーの発症を予防したり。糖尿病の発症を抑制したりしてくれる、とても大切なものです。
そのため、当院では、基本的に抗生剤は丁寧に診察し、適切な検査を行ったうえで、必要なときにのみ、必要な日数、処方いたします。また処方する際は、抗生剤をなぜ処方するべきかご説明いたします。
こどもの急な発熱について
年齢の小さなこどもは、よく発熱します。こどもは生まれて半年程度はお母さんからもらった免疫で守られていますが、その免疫が消えてしまったあとは、自分でいろんな感染症にかかって、戦って、免疫を作っていくことになります。
この感染症と戦う道具の一つが発熱になりますので、発熱自体は悪いことではなく、多くは緊急性がありません。お子様の症状が発熱のみで元気であれば太い血管の走っている脇の下、首、足の付け根などを冷やして様子をみてください。
冷やすときは、保冷剤にタオルをぐるぐる巻いたものを使用すると効果的です。
3か月未満の赤ちゃんの発熱は、早めに受診してください。
解熱剤の使用方法
38.5℃以上の発熱でぐったりして元気がない、水分摂取ができない、なかなか寝付けないときに使用しましょう。
解熱剤は一時的に熱を下げて体を楽にしてあげる感染症と戦うためのお助けグッズです。発熱の原因である感染症が治らないかぎり、効果が切れたらまた熱があがります。
その際は、慌てずにこどもの様子をよくみて、しっかり熱が上がりきって(手足や顔がしっかり熱くなった時)からまた解熱剤を使用するか決めてください。
アレルギー外来
こどもから大人までアレルギーの病気が増えています。
アレルギーとは、本来人間にとって敵ではないものを体が敵と誤認してしまうことで、ある一定の食べ物、花粉、ホコリ、カビ、動物などに触れることで様々な症状がでます。
当院では食物アレルギー、花粉症、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などをアレルギー専門医が診断・治療を行います。ご心配なことがあれば、どうぞご相談ください。
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初診の方は、アレルギー専門外来でご予約をお願いします
どうしてもお時間が合わない場合は、電話でご相談ください
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成人のアレルギー診療は、花粉症、舌下免疫療法のみ行います
食物アレルギー
食物アレルギーと診断されたら、原因となる食材(アレルゲン)を完全除去するのが正しいと考えられてましたが、最近では除去は最小限にして食べられる範囲は食べるほうが早く食物アレルギーが治っていくといわれています。
食物アレルギーの診断について
まず、診断するうえで一番大事なことは「○○を食べたら症状がでた!」という事実です。
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- 1)症状がでたというはっきりした事実があった
- 2)多分とか、そんな気がするなど不確かな場合は、同じことが複数回あった
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まずは問診で症状がでたときの
- 01. 原因食材(アレルゲン)と食べた量。
- 02. 食べてから症状がでるまでの時間
- 03. どのような症状がでたか?
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必要と考えれば、アレルギーの血液検査としてアレルゲン特異的IgE抗体検査(RAST)施行します。
(しっかりと採血をします。)この検査では、どんな物質にアレルギー症状を起こしそうかの目安がわかります。
あくまでも目安がわかるのみで食物アレルギーが診断できるわけではありません。検査結果が陽性でも、食べられることはありますし、陰性でも食べて症状がでることがあります。
離乳食開始前あるいは、摂取したことのない食物のアレルギー検査は行いません。
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問診や検査結果をもとに、今後の相談をします。
その後の治療としては、経口免疫療法があります。
経口免疫療法については、様々は方法がありますので、ご家族および本人が納得いくまで説明をさせていただきます。一緒に考えていきましょう。*アナフィラキシーの既往、ごく微量でも症状が出現するようなお子様は、高次医療機関にご紹介する場合もあります。
当院では必要な食物アレルギーの検査は基本的に血液検査をします。
- ①血液検査で診断がつかない方
- ②原因と考えられるアレルゲンが血液検査の項目にない場合
- ③口腔アレルギー症候群(症状としてアレルゲンを摂取した際、口腔内の違和感や掻痒感など口の中だけの症状を呈するアレルギー)
- ④エビアレルギー
が考えられる場合は以下の検査も考慮します。
プリックテスト(Skin Prick test)
皮膚にアレルギーの原因と考えられるもの(アレルゲン)を一滴のせて、専用の器具で小さな傷をつけ、15分後に皮膚に発赤や膨隆疹が出現するかをみて、そのものにアレルギーがあるかを確認する検査です。体内に入るアレルゲンが少量ですので比較的安全に検査をすることが可能です。全年齢で可能ですが、内服中の薬、皮膚の状態を受けやすい検査ですので、まずはアレルギー外来を受診してご相談ください。
アレルギー性鼻炎、結膜炎(花粉症)
くしゃみ、鼻水、鼻づまり、涙目、目のかゆみなどのアレルギー症状が季節を問わずにあらわれるのが、通年性アレルギー性鼻炎・結膜炎で原因としてはダニ、ホコリ、カビ、動物の毛、昆虫などが原因になります。
一方、季節によって症状がでるものは季節性アレルギー性鼻炎・結膜炎で春のスギ花粉をはじめとする、各種花粉が原因になることが多いです。
当院では5歳以上であれば血液検査を行うことができます。
治療は、アレルゲンを避けること、抗アレルギー剤の使用などになりますが、「ダニ」「スギ」が原因の場合は、希望される方には舌下免疫療法を行いますので、ご相談ください。
ドロップスクリーン検査
当院では注射器を使わずに指先から1滴の血液を採取することで、41項目のアレルギー検査ができる、ドロップスクリーン検査を導入しております。検査を希望される場合は、以下の点をご了承のうえでドロップスクリーン検査希望としてご予約をお願いいたします。
ドロップスクリーン検査で調べることのできるアレルゲン一覧
- **:特定原材料
- *:特定原材料に準ずるもの
- *適応年齢は5歳以上です。5歳以下で、食物アレルギー以外のアレルゲン検索のために検査を希望される場合はアレルギー外来を受診してください(検査適応の有無は医師の判断によります。)
- *主にアレルギー性鼻炎、結膜炎の原因検索のために検査を行います。
*当院では、食物アレルギーの評価のためにはドロップスクリーン検査は行いません。
舌下免疫療法
アレルギーの原因である、「ダニ」「スギ」の成分を少量ずつ毎日摂取するこことで、体が「ダニ」「スギ」に慣れることにより症状が緩和、根本的にアレルギーを治すことを目標にした治療です。治療期間は5年程度になります。
気管支喘息
お子様は風邪のひとつの症状として、一時的に喘息と同じようにぜーぜーすることがよくあります。気管支喘息としての長期的治療が必要なのか、判断に迷うことが多いと思います。
なんとなく喘息の治療をしているがこの治療で正しいのか、喘息っぽいといわれたが今後どうしたらよいのか、よくぜーぜーしているといわれるがこのまま様子をみていいのか、ご家族で喘息の治療をしている方がいるがお子様はどうなのか、などある場合はご相談ください。
長期管理の必要性の有無や、治療の効果・目標などご家族が納得いくまで説明いたします。
呼気NO検査
気管支喘息のお子様の気道では炎症が起きています。炎症を起こした気道では気道上皮の粘膜でNO(一酸化窒素)が発生します。気管支喘息はこれまではゼーゼーしているとか、呼吸困難感などといった症状で診断していましたが、呼気NOを測定することで気道の炎症の程度がわかり、目に見える症状のないけど咳が続くお子様が気管支喘息なのかどうか判断することができます。呼気NO値を目安に気管支喘息の症状の程度を評価し、それぞれのお子様にあった治療を選択します。また治療効果の判定に使用できます。
検査は、10秒程度、一定のスピードで息を吐き続ける必要があり、少しコツがいります。大体5~6歳以上のお子様になると検査可能です。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、皮膚乾燥と皮膚のバリア機能異常が原因で乳児では2か月、その他では6か月以上継続する慢性湿疹のことをいいます。
治療はスキンケア、環境整備、ステロイド外用が基本となります。ステロイド外用は、重症度に合わせて適切な強さ、適切な量、適切な方法で使用すれば比較的安全に使用できるといわれています。
そして、現在ではステロイド外用で、ある程度湿疹の勢いおさまっていれば、ステロイド以外の外用薬もありますので、お悩みお子様は一度ご相談ください。
*アトピー性皮膚炎の治療の第一選択薬はステロイド外用と考えて診療しております。
ドロップスクリーン検査について
- *検査には30分かかるため、30分に一人ずつ検査となります。検体保存の都合上、一度に血液採取できるのは2人までです。
- *検査結果は、予約枠に余裕があれば検査当日でも可能です。しかし、予約で混みあっている場合や、家族など複数人で検査を受けられた場合は診療日以降に検査結果説明させていただきます。
- *検査は保健適応されます。
検査当日の流れ
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受診(問診・診察)
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採血(20μL)
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測定
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結果報告・診断
スキンケア
こどもの皮膚は大人に比べてとても薄く敏感であるため、お子様のスキンケアは大切な習慣です。
皮膚が乾燥してかゆみが出る → 皮膚をかきむしることで、湿疹が悪化したり、とびひに罹患したり、水いぼが広がったりする → 皮膚を掻きむしると痒みはさらに増すので更にかいて症状が悪化するという悪循環に陥ります。
保湿剤はなんでもお子様に合うものであればなんでもよいので少なくともお風呂上りはしっかりと保湿をすることを習慣化することが大切です。保湿剤も合う、合わないがありますので保湿剤の処方をご希望される場合はご相談ください。
便秘外来
お子様が便秘になり、排便時の排便困難感や、排便時痛みなど感じると、次の排便を我慢してしまう。そしてさらに便が硬くなって排便が困難になるという悪循環に陥ります。
お子様は排便をするのが嫌になると、どんどん便をため込むようになります。便をため込むと、直腸が広がってしまい、ある程度便がたまらないと便意を感じない状態になることもあります。
このような状態になってしまった場合は、緩下剤や浣腸を使用して強制的に排便を促していく必要があります。便秘だった期間が長いと、それと同じくらいあるいはもっと長く治療が必要になることもありますが、排便は大事な行為です。
便秘で、排便困難感、排便時痛、排便時出血などある場合はご相談ください。
予防接種外来
予防接種は、ウイルスや細菌への免疫をつけるための注射です。お子様自身が感染症に罹るのを防ぐのはもちろん、社会全体で予防接種を行うことで感染症を流行させず、撲滅していくことも目指しています。ワクチンに関しては、否定的な情報が多いですが、人類が感染症と今後戦っていくうえでワクチンは人類にとって大切な武器です。どこかから入手した情報でワクチン接種に不安を抱かれた場合は、まずご相談ください。
乳児期には接種すべき予防接種が非常に多くスケジュールを組むのが大変です。生後2か月を迎えたら、予防接種を進めていきましょう。当院ではお子様の年齢や予防接種状況に合わせた接種スケジュールの作成もいたします。
接種可能なワクチン
☆印)任意接種 → 接種スケジュールに関してはご相談ください
- ヒブワクチン(インフルエンザ桿菌)
- 肺炎球菌ワクチン
- B型肝炎ワクチン
- ロタウイルスワクチン 経口生ワクチン
- 5種混合ワクチン(ヒブ、ジフテリア、百日咳、破傷風、不活化ポリオ)
- 4種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風、不活化ポリオ)
- 2種混合ワクチン(ジフテリア、破傷風)
- 3種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風)☆
- 不活化ポリオワクチン☆
- BCG
- MRワクチン(麻疹・風疹) 生ワクチン
- 水痘ワクチン
- おたふくかぜワクチン ☆
- 日本脳炎ワクチン
- 子宮頸がんワクチン(ヒトパピローマウイルスワクチン)
- インフルエンザワクチン ☆
基本的に、軽い咳、鼻、下痢くらいでお子様が元気であれば予防接種は可能です。
予防接種ができないとき
- 1)重篤な疾患に罹患している、あるいは37.5℃以上の発熱がある場合
- 2)1週間以内に発熱していた場合
38.0℃以上の発熱があった場合は解熱してから1週間あけてからワクチン接種再開します。 - 3)接種するワクチンでアナフィラキシーの既往があった場合。
その他、問診表の確認、診察の上で接種できないと医師が判断した場合
小学校まで[あくまでも目安です。個々の接種スケジュールに関してはご相談ください]
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2か月ヒブ、肺炎球菌、5種混合、B型肝炎 ロタウイルスワクチン
(初めてワクチンは、副反応のご説明などするので少々お時間をいただきます) -
3か月ヒブ、肺炎球菌、5種混合、B型肝炎 ロタウイルスワクチン 2回目
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4か月ヒブ、肺炎球菌、5種混合、ロタウイルスワクチン 3回目
- 5か月になったよ BCG
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6-7か月B型肝炎ワクチン 3回目(1回目から20週あけて)
- ちょっと休憩
この期間に、日本脳炎ワクチンの接種をするのもありです!
詳しくはご相談ください
- 1歳お誕生日おめでとう!!
なるべく早く
MR(はしか、風疹)①、水痘(水ぼうそう)、おたふくかぜ(任意)ワクチン 1回目 - 1歳2か月くらい
5種混合ワクチン、肺炎球菌ワクチンの追加接種 - 頑張ってるね、ちょっと休憩
- 1歳6か月くらい
水痘(水ぼうそう)2回目 - ひとまずよく頑張りました。
しばらく休憩
もうひと頑張り - 3歳から 日本脳炎ワクチン
- いよいよ小学校入学目前!
年長さんで - MR(はしか、風疹) 2回目、おたふくかぜ(任意)ワクチン 2回目、百日咳予防のための3種混合ワクチン(任意)、不活化ポリオワクチン(任意)の5回目
任意接種ワクチン(おたふくかぜ、3種混合ワクチン、不活化ポリオワクチン)
および、日本脳炎ワクチンの接種時期に関して、詳しくはご相談ください。
乳幼児健診
乳幼児健診は、身体の発育状況・栄養状態・疾患の有無・運動発達・予防接種の実施状況など様々ことを確認する大切な時間です。お子様の状況のみでなく、子育てをされているご家族の状況も一緒に確認させていただき、必要な援助が受けられるように計らいます。
京都市では、4か月、8か月、1歳6か月、3歳と公費での乳幼児健診が集団検診としてあります。
当院での健診
当クリニックでは自費での個別健診を受け付けています。
また、保育所や保育園、幼稚園などの入園前健診も行います。指定の用紙があれば、ご持参ください
- *書式により、規定の健診料(自費)、文書料がかかることもあります。ご了承ください。
- *レントゲン検査が必要な場合は対応いたしかねます
京都を流れる鴨川・鴨川デルタのほとりで“出町柳こどもクリニック”は、アクセスしやすく、こども達の健やかな成長を見守っていきます。
小児科専門医、アレルギー専門医として様々な病気や相談事に対応できるように専門の診療時間を設けております。
院内で可能な検査
指先からの簡単な血液検査(白血球数、CRP)短時間で炎症反応を評価することが可能です。
各種迅速検査
鼻腔ぬぐい液や咽頭ぬぐい液を使用して、特定のウイルスや細菌感染を調べます。
- *RSウイルス(1歳未満のみ)
- *ヒトメタニューモウイルス(6歳未満)
- *アデノウイルス
- *溶連菌
- *インフルエンザウイルス
- *COVID19(コロナ)ウイルス
インフルエンザやCOVID19に関しては発熱から12時間程度たってから検査をするほうがよいといわれていますので、発熱早期での検査は行いません。複数回の検査は保険適応外ですので自費になります。
食物アレルギー検査
採血を行い、院外の検査センターへ送ります。結果がでるまでは1週間かかります。
花粉症などアレルギー検査(ドロップスクリーン検査 5歳以上)
指先からの簡単な血液検査で一定のダニ、一定の花粉、動物などの検査ができます。
尿検査
尿定性検査が可能です。さらなる検査が必要な場合は院外の検査センターに送ります。
結果がでるまでは1週間かかります。
血液型検査について
血液型はあえて調べる必要はないといわれています。当院では、血液型検査のためだけの血液検査は行いません。
食物アレルギー、その他医師が血液検査を必要と診断した方で希望される方には自費で検査することは可能です
呼気NO検査
吐いた息の中の一酸化窒素(NO)の濃度を測ります。気管支喘息の診断や治療の目安に役立ちます。
プリックテスト(Skin Prick test)
アレルギーの原因を特定するための検査です。基本的にアレルギーの原因検索には血液検査を行いますが、血液検査では調べられない項目はプリックテストを行います。